トマト-小金瓜、蕃茄-Tomato
- 学名:Lycopersicon esculentum
- 分類:ナス科トマト属
- 原産地:中南米
- 仏名:tomate
- 独名:Tomato
トマトの歴史
南米ペルー、エクアドル原産のナス科の1年生草本。16世紀に南米からヨーロッパに伝わりましたが、食用にはされず鑑賞用にされていたようです。18世紀に、イタリア人が食べたのが食用としての始まりとされています。日本へは、1580年ごろ、ポルトガル人によってジャガイモ、スイカ、カボチャ、トウモロコシと共に伝えられ、やはり鑑賞用として楽しまれていたようです。明治時代には、「アカナス」として洋食に使われてはいましたが、庶民の間で本格的に食べられるようになったのは昭和30年代からです。
トマトに含まれる栄養素
漢方では、トマトは「清熱解毒」作用です。血液を浄化し、脂肪の消化を助けてくると考えられています。クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸が胃液の分泌を促進させて消化を促し、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのアルカリ性のミネラルが酸血症を中和してくるのです。クエン酸などの働きで血糖値の上昇を抑えてくれるという報告もあります。
食品成分表(可食部100gあたり)
- エネルギー:19kcal
- 水分:94.0g
- 炭水化物:4.7g
- ナトリウム:3mg
- カリウム:210mg
- マグネシウム9mg
- リン:26mg
- ビタミンA(β-カロテン当量):540μg
- ビタミンB1:0.05mg
- ビタミンB2:0.02mg
- ビタミンB6:0.08mg
- ビタミンC:15mg
- 食物繊維総量:1.0g
トマトの健康効果
高血圧や眼底出血にに効果がある成分は、ビタミンCやルチンの血管強化作用や拡張作用によるものとされております。また、トマトの赤色の色素は、リコピン(カロテノイド)で、免疫力を強化し、ガン予防効果を発揮します。また、ペクチン(食物繊維)が整腸作用、便秘の改善に役立ち、グルタミン酸やアミノ酪酸には、健能効果があります。このように種々の効果を持つので、「トマトを作る農家に胃病なし」、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるります。
トマトのリコピン
トマトの赤いのは、リコピンという成分です。リコピンには、有害な活性酸素の働きを抑える強い抗酸化作用があり、また、ガンや動脈硬化などの予防効果が高いということが明らかになっております。
トマトの料理の有効性
トマトには、特徴的な風味があるので、魚や肉の臭みを消しつつ”うまみ”を増してくれるので、調味の面でも非常に優れいています。
トマトの品種
- 桃太郎:果肉がしっかりしており、熟しても実が崩れないのが特徴。大玉ピンク系トマトとしては、主流の品種。
- 桃太郎ゴールド:ヒトが吸収しやすいシス型リコピンを含む橙黄色の「桃太郎」。肉質が緻密で酸味とのバランスもよく、独特の風味がある。
- ミニトマト:ひと口サイズの小型のトマト。プチトマトともいわれる。赤、黄、オレンジ色もある。
- シシリアンルージュ:シシリア生まれの本格的イタリアン食用トマト。濃厚な味は、加熱調理にも生食にも最適。
- アメーラルビンズ:特別な栽培方法で作られた楕円形の美しい高糖度トマト。主に静岡県と長野県で栽培されている。
- フルーツルビー:糖度がとても高いので、一口含むと果実のような甘さが広がる。
- フルーツイエロー:黄色のミニトマト。小粒で酸味が少なく、高糖度で皮がやわらかい。口に皮が残らないので、子供にも人気。
- フルーツゴールド:オレンジ色の中玉トマト。酸味が少なく、高糖度で甘さが際立つ。ビタミンなども豊富。
- にたきこま:プラム形で色も味も濃厚。煮崩れしにくく、とろみが強い加熱調理向き。
- グリーンゼブラ:リコピンを含まない緑色品種。縞模様がある。完熟前のややかたいうちにソテーすると美味。
- グリーン:完熟しても赤くなrない緑色の品種。リコピンを含まない。サルサソースなどに向いている。
- シンディスィート:中玉種。甘さ、コク、酸味のバランスがとれた濃厚な味。加熱調理にも向いており、使い勝手の良い品種。
- アイコ:通常の2倍のリコピンを含む。プラム形ミニトマト。果肉が厚く、調理にも生食にも適している。
- トマトベリー:ハート形のミニトマト。甘さと酸味がバランスよく、肉厚。形を活かして加工品にも適している。
- カンパリ:お酒の「カンパリ」から名付けられた中玉種で甘くてフルーティー。オランダ原産種。
- ピッコラリュージュ:糖度10前後の濃厚な甘みを持つミニトマト。コクもあり、特に生食がおすすめ。