アラビア南部原産のクワ科の植物。紀元前3000年のシュメール王朝時代には、すでに栽培されていたほどで、人類が食べる最古の果実のひとつ。「旧約聖書」に、最初に登場する木は、イチジクです。イチジクの語源は、ペルシャ語の「アンジール」から漢語の「映日果」になり、日本に1630年頃伝わった時に「イチジク」になったという説と、「実は、1日に1個熟す」から「一熟」になったとする説があります。漢字でかく「無花果」なので、花がないと思われがちですが、切ると果肉に現れる、赤くぷちぷちとしたものが花です。
糖分を多く含み、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどのビタミン類、カルシウムのミネラル類が含まれます。また、ベルガプテン、プソラレエンというクマリン類が含まれています。イチジクには、多くの酵素類が含まれるため、消化を促進し、また、水溶性食物繊維のペクチンが腸の働きを活性化させます。その他、カルシウムや鉄なども含まれています。
乾燥させると水分が抜けるため、相対的に栄養価が上がります。カルシウム、鉄、マグネシウムのミネラルの他、食物繊維も多くなります。ただし、同時に糖質も増えるので、食べ過ぎに注意しましょう。
大きめで、皮にハリがあるものを選びます。日持ちがせず、すぐに下部が割れてくるので、買ったらすぐに食べるのが鉄則です。熟れ過ぎたものは、ワインで煮たり、ジャムにして保存することもおすすめです。