コーカサスからパレスチナ原産のアブラナ科の一年生草本。学名「Raphanus sativus L.」の「raphanus]は、ギリシャ語の「raphanos」(容易に生える)からきているといわれている。日本には、インド、中国、朝鮮半島を経て1200年以上も前に伝わり、「古事記」や「日本書紀」にも記載がある。「春の七草」のスズシロは、だいこんのことである。「スズシロ」は、「清白」(涼しいの意味)で、もともとは、女性の肌の美しさを言ったものである。
ダイコンには、デンプンを分解する酵素のジアスターゼ、たんぱく質を分解する酵素のステアーゼをはじめ、オキシダーゼ、カタラーゼなどの消化酵素類やビタミンCを多く含まれています。そのため、健胃作用があるといわれています。特にオキシダーゼは、焦げた魚にできる発ガン物質のベンツピレンを分解するため胃ガン予防に役立つといわれています。ダイコンの辛味は、配糖体のシニグリンが分解されてイソ硫化シアンアリルで、胃液の分泌を高め、消化を促し、お通じをよくする作用があるといわれています。また、鉄とマグネシウムの含有量が多く、粘膜の病気を癒す作用もあるので、風邪、気管支炎の咳止めや去痰などの効果があるといわれています。生のダイコンには、根も葉も体を冷やす作用がありますが、天日干しやおでんのダイコンには保温効果があります。
部位によって食感や味が異なり、先端は辛味が強くやわらかいのでおろしに向いています。逆に葉に近い部分は硬く、甘みがあるのでサラダ向きです。その中間である真ん中の部分は甘みがあり、やわらかいので煮込み料理に適しています。
青首ダイコンは、葉の近くは緑色で、白い部分はしっかり白いものを、また、皮にハリがあり、毛穴があまり深くないものを選びます。カットされているもは、スが入っていないかどうかを確認しましょう。葉つきのものを買ったら、すぐに葉と根を切り離します。そのままでは、葉が根の養分を吸い上げ、鮮度が落ちてしまいます。