- 学名:Solanum tuberosum
- 分類:ナス科ナス属
- 原産地:南アメリカ
- 仏名:pomme de terre
- 別名:ジャガタライモ、五升イモ、二度イモ
ジャガイモ-馬鈴薯-Potato
南米のアンデス原産。ナス科の多年草草本。日本には、1598年、オランダ人がジャガトラ(現在のインドネシアのジャカルタ)から長崎の平戸に持ち込んだため「ジャガタライモ」、これが後に「ジャガイモ」となりました。
アイルランドでは、リウマチや座骨神経痛よけのまじないとして、ジャガイモをポケットに入れて持ち歩く習慣があったとされています。漢方でも、打ち身や腫れ、関節炎による痛みに、ジャガイモの生汁と適量の小麦粉を酢を混ぜて湿布するという民間療法があります。
ジャガイモの栄養素
ジャガイモには、ビタミンB群やビタミンC、パントテン酸、カリウム、イオウ、リンなど、ビタミンとミネラルがバランスよく含まれております。特にジャガイモのビタミンCは、熱に弱いビタミンCが、デンプンに包まれることにより、調理の加熱によても壊れなません。ビタミンCには、解毒作用や細胞組織の再生機能の促進作用があり、イオウ、リンは、殺菌・浄化作用や皮膚・粘膜の浄化・再生に効果的であり、美容のためにもよい食品です。その他、パントテン酸は、消化の促進、肉の中毒の解毒、カリウムは、血圧を下げる効果があるので、「にくじゃが」のように、肉類への付け合わせに最適です。漢方でも、ジャガイモは、「健脾益気(胃腸を強くし、気力・体力を益す)」、「利水消腫(排尿を促し、むくみをとる)」などの効能があるといわれてます。
食品成分表(可食部100gあたり)
- エネルギー:76kcal
- 水分:79.8g
- タンパク質:1.6g
- 炭水化物:17.6g
- カリウム:410mg
- マグネシウム:20mg
- リン:40mg
- 鉄:0.4mg
- 亜鉛:0.2mg
- マンガン:0.11mg
- ビタミンB1:0.09mg
- ビタミンB2:0.03mg
- ビタミンB6:0.18mg
- ビタミンC:35mg
- 食物繊維総量:1.3g
丸ごと食べて栄養を摂取
栄養素は、皮の近くにあるので、気にならなければ、皮ごと食べるのがおすすめです。特に皮が薄く、やわらかな新ジャガは、きれいに洗って皮ごとたべれます。通常のジャガイモとは多少味わいが異なり、水分が多いのでみずみずしいのも特徴です。火の通りがや早いのも利便です。
選び方・保存
ふっくらと丸みがあり、しわが寄っていないものを選びます。芽が出ているもの、皮が緑になっているものは質が落ちているので注意します。日の当たらない場所で常温保存します。冷凍保存は、つぶしてから行います。丸のままでは、すかすかになってしまします。
ジャガイモの品種
- 男爵(ダンシャク):球形で、果肉は白く、粉質。粉ふきイモやマッシュポテト向き。
- メークイン:長卵形で、淡い黄色の果肉は、きめが細かい。粘質の代表品種で、煮崩れしにくいので、煮物向き。
- キタアカリ:明るい黄色の果肉が特徴的。果肉は、ホクホクとした紛質。
- ジャガキッズレッド:球形のイモで赤色。果肉は、黄色。ホクホクしており、舌触りは、なめらら。サラダ向き。
- インカノメザメ:アンデスの栗ジャガとも呼ばれる。あざやかな黄色の果肉は、ホクホクしており、紛質系。甘みがあり、クリやナッツに似た風味を持つ。
- インカノヒトミ:インカノメザメの後代品種。なめらかな黄色い果肉は、クリやナッツに似た風味をもつ。
- 北海コガネ:外観が、長細く、果肉は、やや黄色い。フライドポテトに向いている。皮をむいた後の変色が少ない。
- 十勝コガネ:果肉は、淡い黄色。ホクホクとねっとりのバランスが良く、フライドポテトに適している。長期保存できる。
- マチルダ:卵形でやや小粒。肉色は、淡黄色。なめらかで甘みがある。凹凸が少なく、皮をむきやすい。
- トウヤ:果肉は、黄色で粘質。なめらかな触感。煮崩れが少ないので、煮物向き。
- スタールビー:表皮は、赤く、果肉は、やや黄色。煮るとねっとりする。
- シンシア:フランスから導入された品種。卵形で、肉色が淡黄色。やや粘質で、きめが細かく、煮崩れしにくい。
- キタムラサキ:皮も果肉も紫の、めずらしいイモ。アントシアニンを含んでいる。やや粘質で、煮崩れは、少ない。ゆでると色が出る。
- レッドムーン:赤い表皮に、黄色の果肉。粘質で、煮物向き。形が似ているので、レッドメークインと呼ばれることもある。