キャベツ-Cabbage
- 学名:Brassica oleracea
- 分類:アブラナ科アブラナ属
- 原産地:ヨーロッパ
- 仏名:chou
- 独名:Kraut
地中海沿岸地方原産のアブラナ科の超年生草本植物。古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されており、日本には、江戸時代にオランダより鑑賞用として持ち込まれ、「葉牡丹」と呼ばれていました。ヨーロッパでは、「貧乏人の医者」という別名があるほどで、古代ローマの政治家「大カトー」は、「ローマ人が何世紀もの間、医者なしでやってこられたのは、キャベツのおかげであると言っています。「ピタゴラス」は、「キャベツは、元気をつけ、気分を落ち着かせてくれる」と言い、医聖「ヒポクラテス」も「腹痛と赤痢の特効薬」としたとされている。
キャベツの栄養素
淡色野菜の中では、最もビタミンミネラルを豊富に含んでいます。ビタミン類では、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンKを含み、ミネラル類では、塩素、カルシウム、ナトリウム、鉄、イオウ、ヨードが含まれております。また、キャベツから発見されたビタミン様物質のビタミンUである「キャベジン」があります。この「キャベジン」は、「S-メチルメチオニン」という物質で、様々な胃腸薬の成分となっています。ビタミンUを食品から摂取する場合はキャベツやパセリ、レタスなどに多く含まれています。熱に弱いので、調理の際は生か、短時間の加熱をお勧めします。
食品成分表(可食部100gあたり)
- エネルギー:23kcal
- 水分:92.7g
- 炭水化物:5.2g
- ナトリウム:5mg
- カリウム:200mg
- カルシウム:43mg
- マグネシウム:14mg
- リン:27mg
- ビタミンA(β-カロテン当量):50μg
- ビタミンK:78μg
- ナイアシン:0.2mg
- 葉酸:78μg
- ビタミンC:41mg
- 食物繊維総量:1.8g
洗うときに気を付けること
千切りなどで食感をパリッとさせたい場合には、切ってから水にさらしますが、ビタミンが流出しやすくなります。特にビタミンCは、水溶性なので、水に触れる面が多くなると、その分流出も多くなります。しっかりビタミン摂取をしようと思うなら、葉を切る前に洗うのがポイントです。
選び方・保存
春キャベツは、ふんわりと軽く、冬キャベツは、巻きがしっかりとして重いものが良いといわれています。カットされたものは、芯の高さが高すぎないものを選び、目安は、縦2/3以下です。基本的には、ラップでくるんで冷蔵庫で保存します。カットして使うよりも、葉を1枚ずつはがして使う方が長持ちします。
キャベツの品種
- 春キャベツ(春玉):秋にタネをまいて春に収穫される。葉の巻きがゆるく内部まで黄緑色。やわらかいので生食向き。
- 冬キャベツ(寒玉):夏まきをし冬に収穫される。葉は、何枚も重なり重量感があり、形は扁平。煮込むと甘みが出る。
- 高原キャベツ:春まきをし、夏から秋に収穫される。
- プチベール:結玉しない芽キャベツで、カロテン、ビタミンCが豊富。
- グリーンボール:やや小ぶりのボール形。葉質は、やわらかで色が濃く、中心まで緑がかっている。生食、漬物に向いている。
- サボイキャベツ:フランスのサボア地方発祥の品種で、葉がちりめん状にちぢれている。煮込み向き。日持ちもよい。
- 紫キャベツ:赤キャベツ、レッドキャベツとも呼ばれる。色味は、アントシアニンによるもので、天然着色料の原料になる。
- タケノコキャベツ:長円すい形のとんがりキャベツ。小型種でポインテッドタイプとも呼ばれる。やわらかく生食向き。
- 芽キャベツ:葉のつけ根にできるわき芽が結球したもの。一般的なキャベツの4倍のビタミンCを含む。
- 黒キャベツ:「カーボロネロ」とも呼ばれる。ちりめん状の不結球型キャベツ。繊維も風味も強いので、煮込み向き
- ケール:キャベツの原種と言われている。ビタミンCとカロテンが豊富。青汁の原料にされるほか、煮込みにも向いている。
- アフリカキャベツ:スクマイキとも呼ばれる。スワヒリ語で、「命の泉」という意味をもつ、栄養価の高いスーパーキャベツ。