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サツマイモ-薩摩芋-Sweet potato

サツマイモ-薩摩芋-Sweet potato

  • 学名:Ipomoea batatas
  • 分類:ヒルガオ科サツマイモ属
  • 原産地:中央アメリカ
  • 仏名:patate

中央アメリカ原産のヒルガオ科の植物。日本へは、1698年、琉球の中山国王が種子島藩主・種子島久基の求めに応じて送ったことにより伝わったとされています。その後、救荒食品として栽培され、全国に広がっていきました。かつては、飢饉の時や戦後の日本の食をすくった救世主でもあります。そのままで食べることはもちろん、芋焼酎やデンプンの原料となったり様々な用途に使われます。食用とするのは、根の一部が肥大化した部分です。品種によって、ほくほく、ねっとり、などの特徴を持っています。甘みがあるので、太ると思われるヒトが多くいますが、白米などと比べても格段にエネルギーが低く、食物繊維やビタミンCも比較的多く含んでいます。

サツマイモの栄養素

漢方では、「補中益気」、「寛腸通便」の作用、つまり、胃腸の働きをよくして便の排泄をよくし、気力・体力をつける作用があるとされています。デンプン、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖質を多量に含み、ビタミンB1やビタミンCも含まれております。特にビタミンCは、100g中に30mgも含まれ、調理による損失が少ないという特徴があります。

米国国立ガン研究所は、「サツマイモ、カボチャ、ニンジンを毎日食べるヒトは、まったく食べないヒトに比べ肺ガン発生率が半分になる」と発表しています。サツマイモに含まれるβ-カロテンや糖脂質のガングリオシドなどの抗ガン作用だと考えられています。サツマイモを輪切りにしたときに出てくる白いねばねばした液は、「ヤラピン」という樹脂を含む物質で、便通をよくする作用があります。また、サツマイモには、セルロール(食物繊維)が多く含まれること、さらに「アマイド」という物質が町内のビフィズス菌や乳酸菌の繁殖を促進してくれます。これらの総合的な作用で便通がよくなるのです。

ミネラルは、カリウムが多いので、塩(塩化ナトリウム)を一緒に食べると味が引き立ちますが、サツマイモを食べて胸やけするヒトは、塩をつけて皮のまま食べると防げることが知られています。

食品成分表(可食部100gあたり)

  • エネルギー:132kcal
  • 水分:66.1g
  • タンパク質:1.2g
  • 炭水化物:31.5g
  • ナトリウム:4mg
  • カリウム:470mg
  • カルシウム:40mg
  • マグネシウム:25mg
  • 鉄:0.7mg
  • 銅:0.18mg
  • マンガン:0.44mg
  • ビタミンE:1.6mg
  • ビタミンB1:0.11mg
  • ビタミンC:29mg
  • 食物繊維総量:2.3g

選び方・保存

きれいな紡錘形で、中央がふっくらと膨らんでいるもの、あまり毛穴が深くなく、傷がないものを選びます。切り口に蜜が出ているものは、糖度が高いといわれています。冷蔵庫には入れず、常温で保存します。寒すぎる場所は避けましょう。切ったものは、ラップで包んで冷蔵庫で保存しましょう。

サツマイモの品種

  • ベニアズマ:関東地方の代表的品種。中身は、あざやかな黄色。粉質で加熱すると甘みが増すので、焼きイモに最適。
  • 鳴門金時(ナルトキントキ):西日本を中心に作られている代表的な品種。上品な甘さと見た目の美しさを兼ね備える。
  • 土佐紅:高系14号という品種の系統。「鳴門金時」と同様、甘みの強いブランドの紅イモ。
  • 愛娘:千葉県で生産されているブランドイモ。高系14号品種で、「鳴門金時」同様の紅イモ。
  • 五郎島金時:加賀の伝統野菜。肉食は、白。糖度が10~12とかなり高く、焼きイモに向いている。
  • 黄金千貫(コガネセンガン):焼酎の原料としても有名。果肉は、白。さらりとした甘みとねっとりとした食感。
  • 種子島昔蜜芋:種子島特産品種。丸型で、ややオレンジ色の果肉は、加熱するとクリーミーになる。
  • 種子島紫芋:皮は、白く、肉色は、薄紫色。甘みが強く、やや粉質で、加熱するとホクホクとした食感になる。
  • 安納芋:種子島特産。オレンジ色の果肉には、カロテンが含まれている。甘みが強く、ねっとりしている。
  • パープルスイートロード:従来の紫イモに比べ味がいい。甘みも多い。